- 第1章:物流の基本と役割
- 第2章:物流戦略の考え方
- 第3章:物流で起こす流通改革ーネット専業VSリアル店舗
- 第4章:先進的な物流の取り組み
- 第5章:物流管理をしよう
- 第6章:人材育成と物流品質
- 全体を通して
第1章:物流の基本と役割
(1)物流6大機能
輸配送、保管、荷役、包装、流通加工、システムの6つであり、物流会社がコントロールする機能。
(2)戦略物流8大機能
6大機能+管理、調整であり、荷主がコントロールする機能。
管理は6大機能全体をコントロールする機能。調整は他部門との調整をする機能。
戦略という言葉の通り、管理と調整がキモということになる。荷主は自分達のビジネスに合わせた物流となるようにする必要があるためである。
これはどこの部門でも似たようなことが言えると思う。ある程度の業務を外注したとしても、キモの部分は自部門でコントロールする必要があるためである。
第2章:物流戦略の考え方
企業戦略と物流戦略の一貫性について書かれている。ここでいう企業戦略は経営戦略(事業戦略)といっていいものだと思う。とすると、企業戦略は上位にくる戦略なわけで、それと一貫性がないとダメということになる。
これは、その他のオペレーション戦略でもいえることだろう。
また、著者の別の書籍(過去の書籍)でも記載のあった物流戦略の4Cについても、この章に記載されている。
第3章:物流で起こす流通改革ーネット専業VSリアル店舗
「消費者が変われば、流通が変わり、流通が変われば、物流が変わる。」そのため、世の中の変化を注意深くみることが必要と記載されている。
例えば、いかに商品を消費者の近くに置くが重要であるということや、リアル店舗でのオムニチャネルが必要とある。つまりどのようなビジネスであっても自社の業態を決めつけてしまっては商機を逃すということである。
というこで、ネット専業VSリアル店舗とはあるが、完全な対立構造ということを言っているわけではない。
第4章:先進的な物流の取り組み
この章では、アマゾン、アスクル、ニトリ、ZARA、カルビー、ヨドバシの事例が紹介されている。
著者の別の書籍(過去の書籍)でも、紹介されていた企業もあるが、物流を強みにしている企業の共通点は、独自の物流システムの構築、積極的なテクノロジーの導入(研究開発投資)この2つがキモのようだ。
第5章:物流管理をしよう
企業戦略の基づいた戦略物流思考をもつこと、それに則った物流KPIの重要性が書かれている。
大前提となる企業の戦略が異なれば、物流KPIが異なるのも当然だし、物流KPIがなければ適切に物流を管理することができない。現場レベルで考えているとなかなか企業戦略を前提にすることが難しい場合も多いと思う。この点が、現場と戦略を立てる部門を分けたほうが良いとされる一番の理由だろう。
著者の別の書籍(過去の書籍)の序章にも記載があった。
第6章:人材育成と物流品質
「運送会社のブランド力またはイメージは、必ずそこを使っている会社のブランドやイメージにつながる」といった言葉が引用されており、まさにこれが、単に物流会社に外注すればよいということにはならないということだろう。
実際に多くの人が、ネットで買い物をして無事自分の手元に商品が届いたとき、そこで買い物をしてよかったと総合的に評価していると思う。
全体を通して
著者の書籍を2冊拝読した。ざっくりまとめてしまうと、企業戦略に基づいた物流戦略の構築、もう少し具体的なところで、その会社の独自の配送システムの構築、そしてその管理がポイントになることが理解できた。
ぱっと書いてしまえば当たり前にみえるが、この考えは他の戦略にも良く当てはまることだと思う。つまり応用できる考え方と思う。そして管理の難しさも感じられた。
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