続いて特許行政年次報告書2024年版、商標登録出願を概観してみました。
今年の報告書
昨年のブログ
目次
1.日本国の商標登録出願推移等
出願件数は、少し減少していますがほぼ横ばい。登録件数が激減と思いきや、審査期間短縮のため直近2年間は増加していたとのことです。たしかに出願件数が横ばいで、登録件数が増加傾向となると納得です。
ということで、全体として、横ばい傾向ということになります。
たしかに、審査期間の短縮と同時に登録件数が増加しております。
日本国特許庁を本国官庁とするマドリッド協定議定書に基づく国際出願は減少。詳しくは、各国の出願状況で確認します。
2.主要国における商標登録出願推移等
中国は、他の法域と同様、内国人による出願が多い(97%以上)という傾向です。ただし、出願件数は減少しています。
中国→日本への出願、日本→中国への出願が多い。地理的な関係、ビジネスの進出、知財リスクからの結果と思われます。
3.新興国における商標登録出願推移等
インドネシアにおける出願増が顕著だが、内国人によるものがほとんどで、その比率も年々増加している。
外国から諸外国への出願の割合は、その他の法域と似た雰囲気です。
ブラジル、ロシア、インドの出願が増加傾向で、それぞれ内国人による出願の割合が多い。
ロシアは特許出願が減少傾向であり、戦争の影響かと思ったりしましたが、商標は増加傾向なので、違った要因かもしれません。
4.まとめ
- 日本では審査期間の短縮が落ち着いて安定してきたようだ。平均FA期間が6.1カ月。
- 諸外国(特に新興国)で出願増は、内国人によるもの。
- 仮説として、地理的な関係、ビジネスの進出、知財リスクから中国→日本への出願、日本→中国への出願が多い。
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