へむちの脳内本棚

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【書籍レビュー-業界】アマゾン、ニトリ、ZARA…… すごい物流戦略 (2018/7/18)

 

物流業界をある程度知っておいた方がいい状況になったので、読みやすそうな書籍を探し読んでいます。

 

いろいろ調べると、物流では角井亮一氏の書籍が有名ということと、内容的にも読みやすかったので、この書籍を選びました。

 

 

序章:なぜ、物流戦略なのか?

物流は企業戦略の一部として考えるべきであり、それを実現している企業としては、現場部門と企画部門がわかれているとのこと。

 

現場では、物流の全体を把握することは難しいし、企業戦略にそった物流を組み立てる上では全体を俯瞰し全体最適を考えていかないといけないのは理解できることである。

 

第1章:アマゾンの物流戦略

顧客第一主義という理念のもと必要なことに投資をしている。

 

その中で、アマゾンは物流に関し積極的にいろいろな方法にチャレンジしており、研究開発投資の金額も大きいものである。

 

ベゾス氏退任のときのメールからも発明が重要と語っている。

sshemt.hatenablog.com

 

こういったチャレンジを積み重ねているからこそ、宅配クライシスを乗り越えられたのだろう。

 

第2章:ニトリの物流戦略

ニトリ独自の物流システムを構築しており、サプライチェーン全体でコストダウン削減を図っている。品質面においても、自動車会社の品質管理手法を取り入れ品質向上に努めた。

 

グループ内分業により自社のやりたいことに適応した物流システムを構築することにより、これらのことを可能にした。

 

すべてを自社でやるのは一見効率が悪そうだが、自社の一番武器となる部分は自社で完全に管理できる体制を構築することが重要といえるだろう。

 

第3章:アイリスオーヤマの物流戦略

アイリスオーヤマは、業態メーカーベンダーシステムであり、それは製造機能(メーカー)と問屋機能(ベンダー)を有するものである。

 

これから成長する業態に合わせて、製品づくりを行い供給機能も果たしていくというものであり、そのためには次々に製品のアイデアを出す必要がでてくる。このアイデアをたくさん出すための社内システムもアイリスオーヤマの武器となっている。

 

肝心の物流に関しては、どの商品に配送費がどれくらいかかっているか把握することが可能で、管理会計上、製造原価として扱っている。また、物流立地・物流設備を優先して立地を考えている。「物流センター内に工場を作る」という発想である。

 

この発想により、売れるものをスピーディーに作りいち早く小売店へ届けることを徹底し、在庫を極力もたない状況が生まれてくる。

 

アイリスオーヤマも、これらシステムを自前主義で物流をコントロールしている。

 

第4章:ZARAの物流戦略

在庫回転数が良いのが特徴で、取引先からの注文で製造を考えるのではなく、その先にある販売(お客が買ってくれるかどうか)からモノづくりを考える。商品の動きが止まりかけたとき次のものを一気に作るという方法をとっている。

 

物流に関しては、サプライチェーンのほぼすべてを自社で構成し、物流に関する研究開発投資を積極的に行っている。

 

ZARAも物流に関しては自前主義である。

 

第5章:DHLの物流戦略

DHLは、ここまでの紹介した企業と異なり、用意周到にM&Aを行い大きくなってきた物流の会社である。

 

業務委託できる事業は業務委託を行い。自社グループの配送を専門に行っていた宅配事業を、他社向けに開放したりと市場でのシェアを広げている。

 

自社での具多的な取り組みとして、急成長中のeCommerceへの対応として①密度増②自動化促進③BigB増という取り組みを行っている。

 

また、テクノロジーへの投資として、①ドローン配送システム、②PostBOT、③EV車開発の企業買収、④In Car Deliveryという分野に積極投資をしている。

 

DHLは、物流に関してできることを増やすためM&Aを行いつつ、他社に任せるところは任せる。提供できることは提供する。という方法をとっている。

 

ただM&Aをするだけでなく、将来やりたいことをイメージしつつ、少しづつM&Aを行い、たりないテクノロジーは自社で積極的に開発も行うといった企業でよくわかる。

 

第6章:オムニチャネルと物流戦略

オムニチャネルとは「どんな注文方法にも、どんな受け取り方法にもたいおうする、お客様満足度の高い商売の仕組み」と本書では定義している。ちょっとしたことでも面倒と考える人が増えている現状から、オムニチャネル対応は必要になってくると予想されている。

 

実現するためにクリアすべきポイントは①在庫の一元管理、②価格の統一、③店員の教育。

 

これらを実現する物流システムを、各社目指していくことになりそうだ。

 

終章:物流戦略の4C

最後に、物流を考える上でのフレームワークが紹介されている。4Cは買い手目線の分析であり、それを物流を考える上で使いやすいように整理したものである。物流を間会えるうえで参考になりそうである。

 

下記は、同じ著者の記事がWebにありましたので、そこから引用させていただきました。

 

引用:待ったなし!物流改革(2020)

 

全体を通して

物流を狭義の意味で理解してはいけないといったところかもしれない。この書籍の中でも物流の具体的な手法の紹介の前に、どういった企業かといったことについて詳しく述べられている。

 

今回紹介された企業の中で共通する点としては、自社で行った方がいいことは自社内でやることにより、最適なシステムを構築しており、また物流に関する研究開発に積極的に投資している。

 

すべて自社内のリソースで賄うことは、近年難しいものとなっているが、どこまでアウトソーシングするかといったことは、ビジネスの全体をよく見たうえで把握しなければいけないと感じた。

 

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【ニュース-知的財産】特許行政年次報告書2023年版・商標(その4/4)

特許行政年次報告書、第4段として商標登録出願です。ラストです。

 

 

www.jpo.go.jp

 

1.日本国の商標登録出願推移等

出願件数のは増加傾向と書いてあるが、なんとなく横ばいくらいに見える。登録件数は、ここ数年増加傾向。

 

手あたり次第出願される方もいらっしゃるが、それを除外して考えてみても、各社ハウスマークだけでなく、ファミリーネーム、ペットネームといった出願も増加しているのかもしれない。(仮説)

 

また、技術ブランディングなんて言葉もあるくらいなので、特有の技術に名前をつけていたりするのかもしれない。

 

日本国特許庁を本国官庁とするマドリッド協定議定書に基づく国際出願は、件数的には横ばいだが、指定国は2021年まで増加傾向。

 

これは、もともとグローバル展開している企業が、進出国を増やしているからだろうか。

 

2.主要国における商標登録出願推移等

外国の出願件数は、米欧韓は2022年を除いて増加傾向、米欧は外国人の出願も伸びている。これは企業が進出する際、米欧は人気があるということだろうか。

 

中国は、ほかの知的財産権同様、出願件数の伸びがすごく全体の出願件数も多い。しかし、97.3%は内国民によるもの。中国は、すべての知的財産権においてこのような傾向になっている。今後、どのように変化していくだろうか。

 

少し見方を変えて、日本から外国への出願件数を見てみると中国への出願が最も多い。中国の内国民の出願が非常に多く、かすんで見えるが、中国への出願も積極的に進んでいるように見える。

 

日本のビジネスが中国へ進出しているということももちろんあると思うが、下記の記事(古い記事だが)のように、中国で日本の地名に関する出願がされているというニュースがあった。こういった対策も兼ねているのかもしれない。

 

参考:中国が“日本の地名”を勝手に商標登録監視強化に四苦八苦する地方自治体(2008/12/03)

diamond.jp

 

中国から日本への出願も多い。これは、近年、中国製品が日本でよく見ることからも、中国企業の日本への進出だろう。ちなみに、これは意匠と同様の傾向。

 

3.新興国における商標登録出願推移等

ベトナムインドネシアは増加傾向。ベトナムが増加傾向なのは、特許、意匠の傾向にも共通している。

 

また、シンガポールの外国からの出願が多い傾向も特許・意匠の傾向に共通している。

 

 

南アフリカは横ばい。その他は増加傾向。

 

ブラジルによる出願が特許、意匠と異なり内国民によるものが大半を占めるというのは、傾向が異なっている。

 

インドの出願が内国民によるものが多いという点は、意匠と共通。

 

4.まとめ

今回も同様、個人的に印象に残った点や、今後確認しておきたい点として、下記にまとめる。

 

①日本の商標登録出願は増加し高い水準で横ばい。どのような出願が増えたか?ブランディングとどのように関係しているか。

②外国の出願は、傾向が特許、意匠と共通しているものもあるが、共通していないものもある。これは、どのような要因によるものか。

 

ということで全4回でこれで特許行政年次報告書2023年版については、以上となります。

 

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【ニュース-知的財産】特許行政年次報告書2023年版・意匠(その3/4)

特許行政年次報告書、第3段として意匠登録出願です。

お待たせしてすみません(待ってない)。

 

 

www.jpo.go.jp

 

1.日本国の意匠登録出願件数推移等

 

全体的に横ばいの傾向。国際意匠登録出願は全出願件数のうちの11%程度となっている。

 

特許が、30万件程度の出願で、PCT出願が5万件弱とすると、特許は5/35=0.14・・で、特許より若干少ないくらいのイメージ。個人的感想だが、思ったより検討している感じかも。

 

関連意匠の出願率12.7%という数字ということで、かなり抽象的な表現だが「攻めてる意匠登録出願は10%ちょっとある。」ということかもしれない。(仮説)

 

出願人居住国別にみるとドイツが圧倒的。これは車載関係だろうか?確認が必要そう。

また、中国が近年いきなり伸びているのも気になるところ。

 

2.主要国における意匠登録出願推移等

日米欧は、外国人による出願が30~60%(だいぶ差はあるが)となっておりそこそこ多いという印象。韓国は15%だが近年増加傾向のようだ。

中国は、98%が内国民であるしかし全体としての出願件数では圧倒的であるため、今後どうなるか注目しておきたい。また、制度的な面も確認しておきたい。

 

3.新興国における意匠登録出願推移等

ベトナムが微増、その他は横ばい。

 

インドは内国人による出願が急激に伸びている。特許でも出願件数は伸びていたが、意匠は「内国人による」という部分が少し伸び方の質が異なる。

 

意匠の場合も全体として、外国人による出願が多い国は特許と同様ビジネス面で進出してきていると考えられる。

 

内国人による出願で、いっきに伸びた部分は制度的な問題等、別の理由かもしれない。

 

4.まとめ

個人的に印象に残った点や、今後確認しておきたい点として、下記にまとめる。

 

①積極的に攻めてる意匠登録出願は、全体の10%ちょっとである。

②ドイツの意匠登録出願が多そうだが、どのような分野の者が多いか。

③主要国の出願については、国により傾向が異なるので、その国のいろいろな要因が働いていそうだ。例えば、内国民のみの出願が増加している点では、外国法人の現地法人の出願が増加したのか、それとも、内国民に対してなにか支援制度みたいなものができたのか等。

 

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【ニュース-知的財産】特許行政年次報告書2023年版・実案(その2/4)

特許行政年次報告書、第2段として、実用新案登録出願です。

 

 

www.jpo.go.jp

 

1.日本国の実用新案登録出願件数推移

全体的にみると減少傾向です。

 

実用新案は、無審査登録主義の採用により早期権利化等メリットはありますが、審査がない分権利の安定性という点では、少々使いにくいというのが現状がもしれません。

 

多くの特許出願が大企業であるという点を考慮すると、わざわざ出願するのであれば実用新案は選ばないといったところでしょう。

 

ただし、2020年はマスクの需要により、出願が一時的に増加しています。ということは、物品の構造、形状、または組合せに関する簡易な発明が多くされれば実用新案権の需要はまだあるといえるかもしれません。

 

参考:コロナ禍により、実用新案の出願増⁉(2021/08/30)

pasona-kp.co.jp

 

2.日中韓の実用新案登録出願推移等

 

(1)中国

中国の出願は、かなり多いですが制度が特徴的ですね。とくに、特許と実用新案同日出願が可能で、、実用新案出願を先に権利化し、後に特許出願が登録要件を満たす場合に実用新案権を放棄することにより特許出願の権利化を図るなんてことも可能

さらに、新規性、進歩性、実用性の実体審査がなく、権利行使も技術評価書みたいなものも不要

これは使いやすいですね。

参考:中国における実用新案制度の概要と活用(2020/4/28)

www.globalipdb.inpit.go.jp

 

(2)韓国

韓国は、1998年無審査登録主義になり、2006年に審査主義に回帰とのこと。審査ありにしてもこれだけ減っているということは、実用新案登録出願をするくらいなら、特許出願でよいって判断みたいですね。

あと、特許よりは容易に登録されるが、権利解釈においては特許権より狭く解釈される傾向があるらしい・・

参考:韓国知財の最新動向(2021/05/31)

 

参考:韓国における実用新案制度について(2020/06/02)

www.globalipdb.inpit.go.jp

 

3.まとめ

今回は、実用新案について確認しましたが、特許に近い部分もありつつ独特な特徴があるため、出願件数も特許とのバランスを考えつつ確認していく必要があります。

 

さらに、外国と比較するときはなおさら制度の理解が大切になります。簡単にまとめてみます。

 

日本:無審査で早期に登録できるが、権利行使に技術評価書が必要。

中国:無審査で登録でき、かつ、権利行使に技術評価書が不要。

韓国:審査有だが比較的登録されやすい。ただし、権利解釈は狭くなる可能性が有り。

 

今回、さらっと調査しただけですので、もしかしたら間違いがあるかもしれませんので、気が付いたら修正します。

 

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【ニュース-知的財産】特許行政年次報告書2023年版・特許(その1/4)

特許行政年次報告書は、「知的財産をめぐる国内外の動向と特許庁の取組について、特許庁が取りまとめたもの。」です。

 

知財に関する業務をしている方にとっては、確認しておいた方がいいのはたしかですが、分量も多く、なかなか確認するには後回しにしがちなものと思います。(私のことですね(汗))

 

項目別に、気になったところを確認しましたので、感じたところをまとめておきます。今回は、その1として特許に関する数字です。

 

 

www.jpo.go.jp

 

1.日本国の特許出願件数推移等

日本国内の特許出願件数は、減少しているといわれてきたが、2020年以降は下げ止まり感がある。おそらく、各社、特許出願の方向性が決まりつつあり、それが安定してきたのではないだろうか。

 

特許登録率が増加傾向である点は、上記POINTに記載されているように特許出願の厳選が進んでいること、量から質への転換が進んでいることもたしかにあるとは思う。

 

しかし、近年、審査があまいということも聞く。様々な要因が考えられる数字ではあるが、今後この数字がどのようになるか注目したいところである。

 

日本国特許庁を受理官庁としたPCT出願は、2019年までは増加傾向だったが、2020年以降横ばいといったところ、日本国内の特許出願も2020年以降横ばいに近い状態であるため、こちらの数字をあわせてみても、各社、特許出願の方向性は決まりつつあるのではないだろうか。

 

2.主要国の特許出願件数推移等

(1)特許出願件数推移・登録件数推移

まずは、世界全体での特許出願件数の推移は増加傾向である。この伸びは、中国人による中国への出願が大きく起因している。

 

この中国での出願件数が安定して、次の段階に入った時、実務上どのようなことが起こるかが問題と思うが、何か変化が起きたとき、すでに時遅しとならないよう、中国でビジネスをやるのであれば中国での権利取得を、ある程度進めていくことは必要と考える。

 

世界全体での特許出願の増加に伴い、登録件数も増加している。

 

国別にみると、中国居住者による登録件数のうち9割くらいは中国での登録である。この数字からも特許出願への助成制度の影響が強いのは容易に予想される。この点は、今後どのように変化していくか注目したいところである。

 

他方、その他の国、例えば日本では半数は外国での登録であり、各社ビジネスのグローバル化に伴い外国特許出願も活発であることがわかる。

 

参考:【20-01】日本と中国における特許出願への助成制度の比較(2020/02/19)

spc.jst.go.jp

 

(2)庁別出願件数推移等

IP5の出願を内国人、外国人別にみると特徴的なことがわかる。

日本・中国・韓国は内国人による出願が多く、米国・欧州では半分が外国人によるものである。

 

これは、様々な要因が考えられるが、外国人からみてその国・地域がどれだけ魅力的な市場であるか、どれだけ特許権が武器になるか等の理由ではないだろうか。

 

日本は、特許査定率が増加していることは、ほかのグラフからも確認できたが、主要国を比較すると、米国はさらに高く、韓国と同程度であることがわかる。

 

日本の審査があまいのではないかという話は、あるものの実はグローバルスタンダードになってきたともいえるのかもしれない。

 

権利化担当の実務者の方にとっては、かなり気になる数字だと思うので、特許査定率については、主要国と比較して確認が必要かもしれない。

 

(3)新興国における特許出願推移等

シンガポールベトナムにおける出願件数の伸びが大きい。

 

これは、ビジネス展開と大きく関係しているのではないだろうか。シンガポールでは研究開発拠点としての地位の向上、ベトナムでは、日本企業の工場があるということも聞く。

 

参考:東南アジアのハブ、シンガポールの魅力とは?(2018/02/09)

www.ten-kai.jp

 

参考:研究開発拠点の地位向上(2023/04/24)

www.jetro.go.jp

 

参考:ベトナムの市場開拓のヒント(2020/09/11)

www.jetro.go.jp

 

インドと南アフリカにおける出願件数の伸びが大きい。

 

インドは、人口が多いことからも市場としての魅力が大きいためではないだろうか。

 

参考:進出日系企業数が初めて減少(インド)(2022/06/28)

www.jetro.go.jp

 

南アフリカでの出願件数は、中国の出願数が多い。これは中国の政治的な部分も大きく影響していいそうだ。

参考:習近平国家主席、南アに4度目の訪問、2国間協力を推進(2023/08/24)

www.jetro.go.jp

 

新興国全体の傾向として、外国人のよる出願が多いことから、ビジネスとして外国からたくさんの企業が進出してきているといえるのではないだろうか。

 

3.まとめ

日本国内でみると、近年は出願件数等安定してきたようである。これは、特許出願の方向性が決まってきたためと考えられる。

 

世界に目を向けると、中国における特許出願の傾向等は、今後も注視が必要と考えられる。

 

また、各国の市場の魅力度、権利の使いやすさ、政治的な動き等様々な要因が特許出願の傾向に大きな影響を与えていることがわかる。

 

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【購入商品-知的財産】ARC'TERYX(アークテリクス)のバックパック「Granville(グランヴィル) 16 」とYKKの止水ファスナー

けっこう前になるのですが、1年以上愛用しているので、軽く分析してみようと思います。

 

1年以上愛用しているので、そこそこお気に入りです。アウトドア系のメーカーですが、私は最近アウトドアはさっぱりです。ですが、タウンユースでも全然問題なしですよね!

 

 

1.購入商品

購入商品は「Granville(グランヴィル) 16 バックパック」です。

なのですが、どうやら今年?このモデルが廃版になってしまったようです。しかし、同じ名称でリニューアル版が販売されているようです。現行版が、ちょっとわからないので、その点だけご注意ください。

中をがばっと開けると

●背中側

・PCを入れられるポケット(チャックなし)

・浅めポケット(チャックなし)

・浅めポケット(チャックあり)

●外側

・深めポケット

があります。

 

横から見るとメインポケットとは別に、もう1つポケットがあります。これは、メインポケット内に見える、外側のチャックの部分とつながっています。

これ、意外と使い勝手がいいです。あまり大きくないですが、バックパックを右肩にかけたまま前に持ってきて簡単なものの出し入れができます。

 

表(外側)

ちょっとした小物を入れられる小さいポケットです。ペロッとでているのは、たぶん鍵などをつけるためのものと思います。

 

 

2.ARC'TERYX(アークテリクス)とは

ご存じの方も多いと思いますが、ARC'TERYX(アークテリクス)はカナダ発のアウトドアメーカーで、ロゴは始祖鳥です。始祖鳥は初めて空を飛んだ鳥(恐竜?)と言われています。

 

ですが、下記記事をみたところ、「アメア スポーツは19年に、中国スポーツ大手のアンタスポーツ(ANTA SPORTS)やテンセントなどによる投資コンソーシアムが親会社となっている。」とあり、現在は中国企業の資本が入っているようです。

 

蛇足ですが、記事にあるように都市中心部に出店等、かなりイケイケのようです。アウトドアテイストのアパレルも人気?なのも牽引しているのでしょう。(仮説)

news.yahoo.co.jp

 

3.知的財産権

(1)商標権

まず特許の前に、上記にアークテリクスのロゴについて記載しましたので、登録商標について確認してみました。

 

登録4607435

登録日:平成14(2002)年 9月 27日

権利者

氏名又は名称:アメア スポーツ カナダ インコーポレイテッド
住所又は居所:カナダ国

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 25
被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴

 

 

いくつもあるなかで、ロゴが入っているものを選びました。そして、権利の経過情報のところを確認すると、

本権移転登録申請書(相続・合併)2018/04/02
専用使用権設定登録申請書(契約・許諾) 2023/03/03

となっており、親会社の関係のためか、いろいろ申請書が提出されていることもわかります。

 

(2)特許権

実は、アークテリクスはバックパック全体としてもよい製品だと思いますが、止水ファスナーが特徴的なようです。

 

下記記事を見ると、

フライフィッシングが趣味であるデザイナーのひとりが、水漏れを防ぐ方法としてコイルファスナーの裏面にシリコンを塗ることを思いつき、試したところ水漏れはほぼなくなった。このアイデアYKKに持ち込み開発。止水ファスナーが誕生した。

とあります。

 

www.mensnonno.jp

 

私も購入する際、止水ファスナーはいいなと思っていました。ただ、ここまで力を入れて開発されているものだとは意識はしていませんでした。

 

ちなみに購入したバックパックの止水ファスナーは、こんな感じです。何気に持ち手のデザインもいいですね。

止水ファスナー

ということで、ここからはアークテリクスでなく、YKKの止水ファスナーの特許を確認してみました。

 

たくさんあったのですが、代表的なものを1つ抽出しました。これは「樹脂フィルムを備えたスライドファスナーにおいてスライダーの摺動抵抗を低減」するための発明です。

 

比較的新しめの出願で、止水ファスナーに関する特許出願がされているということは、現在でも、かなり力を入れて開発していることが予想されます。

 

特許7017545

【発明の名称】ファスナーストリンガー、スライドファスナー及びスライドファスナーを備えた物品

【出願日】令和1年9月20日(2019.9.20)

特許権者】【氏名又は名称】YKK株式会社

 

図1A

 

 

せっかくなので、YKKの止水ファスナーに関する特許出願件数を時系列で作ってみました。ちょっと見ずらいでかもです・・

 

とりあえず、ここ20年間で作ってみましたが、多い年(2002年、2016年)で7件の出願、計64件の出願でした。

 

継続的に、出願がされていることがわかります。深読みするとアウトドアブームも関係あるかもと思いました。また、止水ファスナーだけで、ここまで力をいれているというのは、すごいことだと思いました。

 

 

YKKの出願全体のうち、止水ファイスナー関係がどの程度のなの、ファスナーの技術の中でどれくらいを占めるのか等、もう少しみるといろいろ見えてくるかもしれません。

 

4.まとめ

今回は、ARC'TERYX(アークテリクス)のブランドとバックパックのご紹介、そこからYKKの止水ファスナーについてでした。

 

ARC'TERYX(アークテリクス)は、そもそもデザインが好きですし、アウトドアとタウンユース両方に対応できる商品であることが魅力と思います。

 

そして、他社の技術(YKK)とタッグを組みつつ、細かいところにこだわった結果良い製品が完成し、製品のところどころのこだわりが、消費者に届いているブランドだと思います。

 

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【Web記事】対談 楠木建×鹿島茂 読書と思考

「対談 楠木建×鹿島茂 読書と思考」という記事があり、とくに書評の書き方、メモの仕方等参考になったのでご紹介です。

 

 

 楠木建さんは、経営学者で著書も多く、著書も何冊か読んだことがあります。

 

 

1.共同書店という発想

 まずは書店のお話からです。

 

 最近は書店も減っているようですが、個人的にはリアル書店も好きです。

 

 狙い撃ちで本を購入したり、検索して探す分には、ネットで購入した方が楽なのは、間違いないですが、このジャンルでは、最近のどのような本が売られているか、自分がマークしていないジャンルの本だが最近話題の本等知ることができます。

 

 また、書店によっては、その本屋が、おすすめで売り出しているものをみるのも、新しい発見を得られるような感じがするためです。

 

 この記事では、神保町に「PASSAG」という書店の話から始まっており、そこは、「棚主が「面白いから、だれかに読んでもらいたい」と思う本が並んでいる。それが362通りある。」とのこと。

 

 行ったことはないですが、普通の書店とは異なるコンセプトの書店とのことで、今度ぜひ立ち寄ってみたい書店です。

 

www.foresight.ext.hitachi.co.jp

 

2.メモの取り方

 鹿島茂氏のメモの取り方について、書かれています。

 

 ここでのメモは、書評を書く際のメモですが、一般的に本を読み、情報を蓄積したいとか、そのためにアウトプットしたい場合とか、参考になるかと思います。

 

(1)引用から成る書評こそベスト

(2)書き手の思想を凝縮したレジュメをまとめる。そのときに欠かせない作業が引用

 引用にも2種類:①そのまま引用、②compte-rendu(コント・ランデュ):引用箇所の内容を自分の言葉で言い換える。

 

www.foresight.ext.hitachi.co.jp

 

3.書評家という仕事

 最後は、書評について書かれています。

 

 鹿島茂氏が主宰する書評アーカイブサイト「ALL REVIEWS」も紹介されており、いい本までもが書評とともになくならないようにしようという発想のもと、生まれたようです。

 

 いい本は、読み継がれて、ずっと残りますから書評も残るというのは、よいことと思います。たくさんある本のなかから読んでみようという、きっかけにもなると思います。

 

 書評を書く際の基準について書かれています。

「その本の要約、プラス、過去の本と比較しての価値判断。これが基本です。」

 

www.foresight.ext.hitachi.co.jp